前稿で「露出(明るさ)」「ボケ」「ぶれ」は、絞り・シャッター速度・ISO値の調整で作品作りが出来ると書きました。
次は、構図・バランスについてお話してみたいと思います。 ネットやカメラ本には役に立ちそうな記事が満載ですが、復習にもなりますので自分の為にも書いておきます。
構図など知らなくても写真は撮れます。 主役に目線が行くようなことを考えて撮れば、大体数ある構図のどれかに該当すると思います。
構図は後世の人が、絵画・写真などを解析して後付けで出来上がった学問ですので、センスの良い人は自然とバランス・構図に該当する撮れます。
でも初心者の場合は、自分の考えを写真で表すにはこう言った構図を思い浮かべた方がうまく行くのではないでしょうか。
作例を見ていくと、黙って格好良くなるように撮ると大体はこのような構図に該当するようになるのが分かると思います。
要は、被写体が左右や上下に偏らないようにしたり、見せたいものがはっきり伝わるように撮れば良いことが分かると思います。
構図は大事ですが、自分の思いが写真に出るように撮れば、それが作者のベストの構図にあるということです。
見たことのないような構図でも構わないのです、それが個性につながるということです。
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① 日の丸構図
写真を始めたばかりのときによく撮る構図です。 本や先輩から「日の丸構図はダメ」みたいに言われたことが有ると思いますが、構図の中では一番力強い構図だと思います。
力強いというのは、見る人の視線をしっかりと対象物に導くからです。
例えば次の作例。
周辺をぼかして主役を強調する構図です。
この構図を使う場合は、周りがシンプルで主役の邪魔をしないような背景を選ぶのがよいです。
見た人は誰でもすぐに主役に目線が行きますので、撮影者の思いを伝えることが出来ます。
ポートレートや花の写真にはよくこの日の丸構図が採用されます。
タマムシの顔を見せたいので、他はぼかした撮り方です。
② 三分割構図
ウイキペディアには次のようにあります。
三分割法は、絵画や写真、デザインなどの視覚芸術において、画面の構図を決定する際に用いられる経験則のひとつ。三分の一の法則ともいう。
交点が四つありますが(丸の付いたところ)、そこに主な被写体を置くと、バランスが良くなります。
他にも沢山写りますが、如何に主役に目線を持っていけるかが作品の価値を高めることになります。
どこに主役を持ってくるのが良いかは、撮る人の思いとか被写体の大きさ・向いている方向・脇役との関係・背景との関係で変わってきます。
沢山撮って大きなスクリーンで眺めているうちに、自分の好きな構図が出来てきますので取敢えずは沢山撮りましょう。
作例を上げます。
③ シンメントリー構図
被写体の左右や上下を対称に撮るやり方で、安定感が得られます。 割と簡単な構図ですが、やるなら完璧にシンメトリにしなさいと言われます。
構造物や風景写真などによく出てきます。
④ 額縁構図
・被写体の周りを何かで囲む構図です。
・被写体を囲むことにより、被写体を強調する効果や、絵画のような時が止まった印象を与えることができます。
・視線が主役に集中しやすい、という効果を得られます。
⑤ 二分割構図
・対比を強調できる
・対称美を強調したいときは、シンメトリーにするのも良い
・縦構図、横構図どちらでもOK
・三分割になる場合もある
⑥ 対角線構図
・作品に動きやリズムが出てくる
・斜めに撮ることにより奥行きが出てくる
・対角線上に主役、脇役を配することにより、ストーリーがでてくる
⑦ 放射構図
・奥行きや道の長さなどを強調できる
・木々の高さなどを縦構図で表現
・収束点が明るいと視線を誘導できる
・望遠レンズの圧縮効果を使い手前から奥へ誘導する
⑧ 曲線構図
・S字型、C字型、Z型(またその逆型を含む)などがあります
・その字形から生まれる優美さや穏やかさが魅力
・橋、池、線路、道路、階段、建築などに見られます
この他にも沢山の構図というのが紹介されておりますが、バランスを考えて撮れば所謂良い構図になりますから、気にしないで好きな光景を気軽に撮りましょう。
とは言え写真展やフォトコンへの出展を考えている方は、しっかりと構図を考えて撮る必要が有ります。
この稿はこれで完了。