最近RAW撮りが推奨されているようです。僕はRAWで撮らないので、RAWの良さはまだ分かりません。
① そこでRAW+JPEGで撮り、撮って出しでの写真を比較してみました。
機材:フジフィルム X-T2
図左:ピクチュアモード ベルビア (JPEG撮って出し)
図右:Adobe社Lightroom6のCameraRAWで現像
この写真から言えることは、JPEGはレタッチしなくてもこのままでも良さそう。 少しコントラストが強いので、そこをレタッチするかもしれない。
一方、RAWの写真はこのままでは作品になりません。 当たり前ですよね、RAWはレタッチすることを前提に、JPGでやるような余計な装飾を出来るだけ付けない方式ですからね。
② RAW現像後レタッチ
写真上:CameraRawで現像したまま
写真下:CameraRawで現像後ライトルームでレタッチしました。
・コントラストを少し上げました(+11)
・広域の露出が高いので下げました(-83)
・シャドーを少し上げました(+32)
・自然な彩度を少しあげました(+26)
そのせいか、少し空が青すぎるかもしれません。 彩度をいじらない方が自然に見えますが、メリハリが出ません。
次は同光景をJPEGでレタッチしてみます。
写真上:JPEG撮って出し
写真下:ライトルームでレタッチ
・コントラストを下げました(-62)
・広域の露出が高いので下げました(-19)
・シャドーを上げました(+66)
このJPEG写真は、フィルムシミュレーションのベルビアモードなので、特に彩度、コントラストが高めのようです。
なので、初めからカメラの設定を彩度・コントラスを少し抑えておけば、レタッチが不要になるでしょうね。
事実この機材を使っているプロは、殆ど撮ったままで作品にしていると聞いております。
④ RAWの良い点・弱い点
今回のことから読み取れたのは、RAWは写真の構成データを忠実に持っておりますが、そのままでは作品にはならないということです。
簡単に言うと、RAW写真はお出かけ前の「すっぴん」の状態と同じです。 逆に言うと、個性を出す前の素材ですので、あなた好みに仕上げて下さいと言うのがRAWだと思えばよいのです。 だから作品に仕上げるには、RAW現像でレタッチ(お化粧)する必要があるのです。
ところが、RAWで綺麗な写真にする為のレタッチが半端ないのです。 露出・コントラスト・ホワイトバンランス・色相・彩度・シャープさなどを自分で調整する必要があります。 そのためデータ量がJPEGと比べて比較にならないくらい多いので、メモリーもすぐ満杯になります。
私の場合(APS-C)だとRAWで50MB、JPEGで15MB位の写真サイズになります。
最終的にレタッチ後にJPEGに変換されますが、データの多いうちにレタッチされますから、JPGより有利です。 特にJPEGなら白飛び・黒潰れの可能性のある場面でも、RAWのうちなら救える可能性が多いです。
一方問題もあります。 RAWを現像するには、正式にはカメラメーカーの専用ソフトが必要ですが、普通はアドベ社のフォトショップかライトルームで現像・レタッチしているようです。 またしっかりレタッチするには色空間のマネージが必要ですのでパソコン・モニター・プリンターの使用スキルが必要です。
また各カメラメーカーは自社の画質への思いをRAWに込めておりますので、それを表現するにはそのメーカーのRAW現像ソフトが最適なのです。 でもレタッチ機能の性能や使い易さは、やはりフォトショップ・ライトルームには敵いません。
それに対してJPEGの場合は、カメラが内部であなたのカメラ設定に従いJPEGに変換してくれておりますので、特にレタッチは必要ではありません。
自分好みの印象にしたいときは、RAW撮りの方が有利ですがJPEGでもそこそこレタッチは可能です(大伸ばししたらトーンジャンプなどが現れるかもしれませんが)。
早くRAWでレタッチしたくなるような写真を撮りたいものです。 それまではJPEGでレタッチの練習をします。
以上が比較テストの結果でした。