俳句事始め 三級

9~4級までは前掲をご覧ください。

 

第3級 俳句講座 (前編) 

①  俳句の一般論。

ダメの代表的なものを、3項目掲げます。
・ 動詞が多い句はダメ。一句の中に「要点ポイントを一つに定める」という方向に反しているからです。
・ 見立て、擬人化の句はダメ。 比喩とも呼ばれます。擬人化については一級でお話しします。
・ 「うれしい。悲しい、等」の句はダメ。 (第4級で学習済) 

前の各級で学んだ事を要約しますと 
「一句一季語」
「一句一切れ字」
「一句一動詞」
これが基本です。

次に「見立て」とは、ものを別の何かにたとえたり、見立てたりする事です。 比喩とも呼ばれます。
言葉としては「~の如し」(如く・如き)が典型ですが直喩には他に「のように」「たとえば」「あたかも」「さながら」「めく」「似たり」と云った語が使われます。

見立てがいけないと云われる理由については「如し」などの言葉を用いると、とかく発想、表現がありふれてつまらないものになることも多いからでしょう、意外性が無く、感動の発見が無い句になりやすく又、詩情感に欠けやすくなると言われています。 

しかし、見立て(比喩)表現を使ってはいけないということはけっしてありません。

高浜虚子は比喩の名人です、他の人の名句も多くあります。 例) 
去年今年貫く棒の如きもの (こぞことし)  高浜虚子  
たとふれば独楽のはじける如くなり   高浜虚子
(同じ子規門だった俳友の死にあたって詠んだ追悼句)
たましいのたとえば秋のほたるかな    飯田蛇笏 
(親友の芥川龍之介の長逝を悼みての追悼句)
葡萄食ふ一語一語の如くにて      中村草田男
これらは作者の感動が読手に伝わる比喩の名句です。 

暗喩の句では 
大空に羽根の白妙とどまれり    高浜虚子   
 この句は(白妙のような羽根)の、ようなを隠し「羽根の白妙」と一気表現した名句です。
勇気こそ地の塩なれや梅真白     中村草田男 
金剛の露ひとつぶや石の上       川端茅舎  
金剛石=ダイヤモンド  
 「ダイヤのような露」の”ような”を隠し「石の上」とあわせて、絶妙な景ですね。・・・

見立て(比喩)、暗喩の表現は効果的に用いれば上記のような名句も生まれます。
要はその内容、使用法次第なのですが、ただ初心者のうちは、つい独りよがりになったり陳腐な見立てが多くなるのは事実です。  
 
しかし初心者はあまり気にせずに、下手でも数多く作ることをお奨めします。 

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以上無料俳句講座からの拝借教科書です。結局三級では「見立て」は使うなと言ってるのか、使えと言ってるのか迷います。 そのうち分かってくるのだろうから使いましょう。

 

第 3 級 俳句講座 (後編) 

② 推敲について。

推敲とは よりよく文、言葉、表現を練り上げていく事であり俳句には推敲は欠かせません。

17音字という、短い詩型だからこそ、一字によってその俳句が生きも死にもします。推敲は俳句の命といってもいいでしょう。 [推敲」は執筆した本人が行なう場合に限っていうものであり、他者の手になると「添削」といいます。 

・ 推敲の基本方法の一つに一度自分でつくった俳句を時間を置いてから見直す方法があります。 三日、一週間、程度の間をあけて見直してみましょう。
  
・ 推敲するのには「自分自身の目」と「他人の目」の二つが必要です。 まず「自分自身の目」で自分の感動・想い・伝えたい事が句の中に出ているかを観ます。 

 ・ 次に読み手(他人)の立場になってその一句を客観的に観る事が必要です。 清書にしたり、声を出して読んでみると発見に結びつく事が多くなります。

次に推敲の三本柱と呼ばれているものを掲げます。

1. 倒置法 ”上五と下五を入れ替えてみる”  

2. 助詞の使い方「て・に・を・は」  一字をとり換えただけで一句の優劣につながるので、適しているか再度チェクします。

3. 季語の選択・ 季語そのものを幾つか替えてみる、別の季語に替えてみたら感動の趣きが変わる事も多い。

次に松尾芭蕉の推敲の例をみてみましょう。あまりにも有名な句ですが、
  
”閉さや岩にしみ入蝉の声”の推敲過程をみましょう。

初案  山寺や石にしみつく蝉の声  
再案  さびしさや岩にしみ込蝉の声  
定案  閉さや岩にしみ入蝉の声 
と 3回の推敲を重ねて定稿完了しました。     

もう一つ芭蕉の推敲をみましょう。 芭蕉の「更科紀行」からの一句
  
 「 吹き飛ばす石は浅間の野分かな 」 

 季語は”野分”で秋の句です 浅間山の野分は石をも吹き飛ばすような激しい強風であると云う句意です。

初案  秋風や石吹きおろす浅間山  
再案  吹きおろす浅間は石の野分かな 
第3案  吹き落す浅間は石の野分かな  
第4案  吹き落す石を浅間の野分かな  
定案  吹き飛ばす石は浅間の野分かな  
と完成しました。

俳聖と呼ばれる芭蕉であっても一句をつくるのに推敲を重ねて完成させています、自分自身で納得がいくまで充分に推敲を重ねて自分の一句を磨き上げてください。 

 これで第3級 俳句講座(後編)完了です。 

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以上三級の教科書の抜粋でした。 言われていることは分かるのですが、写真を撮るのと同じように難しいです。

では明日から少し作り、二三日置いてどうなったか見て見ましょう。   飽きてきたからいつまで続くのか心配です。 でもこれで自称「俳句道 三級」!

 

推敲用初案五句。

季語は「短夜(みじかよ)」ですが、「副題」で置き換えるのも有りと思います。

① 短夜やせめて読みたや夢の中 

② 短夜の過行く時間は夢ばかり
   
③ 短夜やうなされる夢の中 
   
④ 短夜や今日の反省で明け暮れる
  
⑤ 短夜や昨日の読みかけもう一度
  

なんか反省文みたいな句ばかりですが、数日後には生き返っているでしょうか?

初案五句の推敲。

① 短夜やせめて読みたや夢の中  
  –> (推敲後) 短夜やせめて読みたや終わりまで

② 短夜の過行く時間は夢ばかり
  –> (推敲後) 短夜の心休まる夢の中
 
③ 短夜やうなされる夢の中 
  –> (推敲後) 短夜や追われ逃げ込む夢の中 

④ 短夜や今日の反省で明け暮れる
  –> (推敲後) 短夜や自問自答で明け暮れる

⑤ 短夜や昨日の読みかけもう一度
  –> (推敲後) 短夜や既読の部分は十数度

推敲後が良くなったかどうかは分かりませんが、推敲するという行為が大事なのだろうと解釈しています。

写真ならパソコンで見直し改善点を把握してからまた同じ所(似た所)へ出かけて撮り直しもします。 これって俳句の推敲と同じですね。

 

次の五句初案

⑥ 夏の夜や思い出語るは蚊帳の中
   
⑦ 夏の夜や香取線香探す母
   
⑧ 夏の夜や日焼け模様が鱗雲  
  
⑨ 夏の夜や発句発句で朝日さす
   
⑩ 夏の夜や九州大雨胸悼む

ここへ書き込むと少しは推敲もしますね。頑張って駄句でも作りましょう。

 

次の五句の推敲


⑥ 夏の夜や思い出語るは蚊帳の中
  –> (推敲後) 焼夷弾避けて逃げ惑う夏の夜 あの空襲の夜を思い出しながら。

⑦ 夏の夜や香取線香探す母
  –> (推敲後) 夏の夜や線香香りて母思う 少し上品に

⑧ 夏の夜や日焼け模様が鱗雲  
  –> (推敲後)夏の夜や日焼け模様の鱗雲 

⑨ 夏の夜や発句発句で朝日さす
  –> (推敲後) 歌心詠みて健やか夏の朝 季語を夏の朝に変更

⑩ 夏の夜や九州大雨胸悼む
  –> (推敲後) 夏の夜や自衛隊は合憲じゃ 国難を忘れて重箱の隅を突いている野党に、腹が立ってきたので改悪してしまった。

とこれで3級は終了。

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