写真のタイトルを考えるに、その写真を見て俳句を作るとうまく行きそうなので試してみます。

高浜虚子を師とした藤田湘子の著した「20週俳句入門」を基として、進めていきます。

季語を知らないと始まりませんので、ここで調べましょう(月別)。

❶ 型Ⅰ:一寸古いですがまず初めにこの型で始めます。
・上五:四文字季語+「や」
・中七:下五の修飾、季語とは無関係のこと
    下五と一つの繋がりのフレーズであること
    下五は、上五の季語とは全く関係のない内容である(配合句と云う)
・下五:名詞、名詞句

有名俳句(配合)例:
・寒明けや横に座りて妻の膝 草間時彦
・残雪やごうごうと吹く松の風 村上鬼城
・春寒やぶつかり歩く盲犬 村上鬼城
・秋たつや川瀬にまじる風の音 飯田蛇笏
・紅梅や病臥に果つる二十代 古賀まり子

読者の作句順序例:季節は春、場所は長野県
・上五を鶯とした
・下五を長野県の梓川とした
これで 鶯や・・・・梓川まで出来た
・中七の候補は、「水青々と」「白き泡立つ」「岩に砕ける」など考えられる

これを基に出来たのが次の句(湘子監修)
・鶯や白き波立つ梓川

 

では塾長も作句開始。推敲で修正あり。
1.立春やコロナ避けたる方違い
2.陽炎や色合い馴染む古き芝
3.春巻きや日本酒有りて露天風呂
4.節東風や税納付する町役場
5.探梅やライカ持ちても電池きれ
6.干し柿や湯浴みの後のバスタオル
7.カタツム春を待ちたる植木鉢
8.春めくやコロナに負けて店じまい
9.春寒や遠き昔の竹トンボ
10.寒明けやシニアに似たる洗濯機

上五の季語は中七・下五とは他人ですが、
何となく近所づきあいを感じます。

十句出来たので、型❶の応用型に続きます。

 

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❷ 型Ⅰ応用1: 
・上五:季語+「や」、何文字季語でもよい
・中七:下五の修飾、季語とは無関係のこと
    上五の季語とは全く関係のない内容である(配合句と云う)
    下五と一つの繋がりのフレーズであること
・下五:自由    

有名俳句例:
・秋晴れや宇治の大橋横たわり 富安風生
・春寒や障子の外に藪がある 細見綾子
・玫瑰や今も沖には未來有り 中村草田男
・寒雷や針を咥えて振り返り 野見山朱鳥
・軽暖や写楽十枚ずいと見て 飯島晴子
・たんぽぽや日はいつまでも大空に 中村汀女
・夏帯や泣かぬ女となりて老ゆ 鈴木真砂女
・あぢさゐやきのふの手紙はや古ぶ 橋本多佳子
・笹鳴きや万年筆が見つからぬ 川崎展宏
・竹散るや川の端までよく流れ 岡本瞳
・水仙やカルテ一葉死へ急ぐ 川畑火川
・亀鳴くやむかし耶蘇名を欲りもして 大石悦子
・初蝶やさて厄介な虫も出ず 山上樹実雄
・豆飯や佳きことすこしづつ伝へ 上田日差子

 

では塾長発句例:
11. 水仙やピント外れに光射す
12. 薄氷やマスク外して庭を掃く (薄氷:うすらい)
13. 陽炎や遠野の地震懸念して
14. 春の野や人工芝の素っ気なさ
15. 春暁や浅寝を揺さぶる遠地震
16. 紅梅や何気に撮るは散歩道
17. 干し柿や湯浴みの後の鏡みる
18. あかぎれや毛におおわれた犬が居る
19. まんさくや庭木植えかえ芝生あり
20.  春立つやまだ起きられぬ季節来て

 

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❸ 型Ⅰ応用2: 
・上五:季語+「や」以外の切れ字
・中七:下五の修飾、季語とは無関係のこと
    下五と一つの繋がりのフレーズであること
    中七も下五は、上五の季語とは全く関係のない内容である(やはり配合句)
・下五:自由だが五文字

有名俳句例:
・桐咲けり天守に靴の音あゆむ 山口誓子
・蓬萌ゆ憶良旅人に亦吾に 竹下しづの女
・暖かし猫につきたる子の刈毛 田川飛旅子
・蚊帳青し息つまるまで思ひ追う 上村占魚
・雪やまずひとりとなりて出羽の酒 角川源義
・雪嶺よ女ひらりと船に乗る 石田波郷
・秋炉あり逢ひたき人に逢ひ得つつ 松本たかし
・燕来ぬ文字ちらし書く爪哇更紗 水原秋櫻子 (爪哇更紗:じゃわさらさ)

 

では塾長発句例: 兎に角ルールに則り何でもいいから作ってみます。
21. 日うらうら密を避けたる特売所
22. 福引や犬も歩けば何かある
23. 春昼やデパート巡り座椅子買い
24. 雪解けや古き長靴穴があり
25. 貌鳥(かおどり)や細き枝にて今日も鳴く 
26. 受験すみいつの世にも安堵あり
27. 双六や誰も果たせぬ夢があり
28. 雪振るやかなわぬ夢の願い事
29. はこべあり荒れた畑を歩きつつ
30. 麦青む無言でこうべ垂れるなり

 

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❹ 型Ⅰの最終発句:
・上五で「や」で切る
・季語の置き場所自由

有名俳句例:
・吊り橋や百歩の宙の秋の風 水原秋櫻子
・大阪やけぶりの上にいわし雲 阿波野青畝(せいほ)

・あけぼのや花に会はんと肌着更へ 大野林火・暗黒や関東平野に火事一つ 金子兜太(とうた)
・葬(ほうむり)や半日暑き独活畠(うどばたけ) 岸田稚魚

・ふるさとや多汗の乳母(うば)の名はお福 三橋敏雄
・月の出や印南野(いなみの)に苗余るらし 永田耕衣
・稚魚さへや鰭(ひれ)美しき冬はじめ 布施伊夜子

 

 

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 ここで「切れ字」の役割について述べられていることを書きます。

「切れ」「切れ字」とは?
 俳句は「俳諧の連歌」の発句が独立したものです。
 最初の句である発句に下の句を次々に付けていく遊びが連歌です。

 このため、発句には、どのような下の句でも考えられるような独立性が求められ、強く言い切ることが必要とされました。 このようにして生み出されたのが「切れ」です。

切れを生み出す「かな」「や」「けり」の三つの語。音調を整える役割もあります。
 「かな」は末尾に使われることが多く、感動、詠嘆を表します。
 「や」は上の句に使われることが多く、詠嘆や呼びかけを表します。
 「けり」は末尾に使われることが多く、断言するような強い調子を与えます。また、過去を表す助動詞であることから、過去の事実を断定するような意味合いを与えます。

纏めると;

・省略:文を言い切り間を持たせる効果
・詠嘆:余韻や感動を生ませる効果
・格調:格調やリズムを与える効果

などの効果が有ります。

 

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❻ 型Ⅱ: 
・上五:自由
・中七:「や」できる
    上五と一つの繋がりのフレーズであること
    中七も上五も、下五の季語とは全く関係のない内容である(やはり配合句)
・下五:季語を五文字

有名俳句例:
・寄せ書きの灯を吹く風や雨蛙 渡辺水巴
・ふるさとの沼のにほひや蛇苺 水原秋櫻子
・真下なる天龍川や蕨狩 富安風生
・うちまもる母のまろ寝や法師蝉 芝不器男
・ひとびとの言葉しづかや初蕨 八木林之助
・またしても赤城に雪や朝桜 上村占魚

 

続く