写真寺子屋 自分の絵を作るには ④

前項⑦で、「明るさのまとめ」として

 ・まず被写体の明るさを知り
 ・次にその明るさに合うカメラの設定を
   「絞り」、「シャッター速度」、「ISO」
  の組み合わせで設定しよう

という話をしました。

ここからは具体的に何から設定すればよいかということをお話しします。

① まず何をどう撮りたいかを決めます。 どう撮るかという人もおりますがが、
  「どう撮りたいか」の方が撮る人の意欲が見えますね。

  勝手に被写体と撮り方を推定して、それに基づき設定します。

  ・天候:快晴(明るさ14EV位) 被写体:風景
   ISO100、F5.6、T1/500 フォーカスは狙った被写体へon。
    理由:風景は一般的にはパンフォーカスにしたいのでF8-11位にする。

  ・天候:曇り(明るさ12EV位) 被写体:子供の運動会
   ISO800、F5.6、T1/1000 フォーカスは狙った被写体へon。
    理由:運動会なのでT速度を上げて被写体ブレを減らしたい
       子供をフォーカスし、煩い背景を少しぼかしたい
       すると、ISOを3段くらい上げないと、暗すぎる

  ・天候:晴(明るさ13EV位) 被写体:花を明るく大写したい
   ISO100、F2、T1/1000 フォーカスは狙った被写体へon。
    理由:マクロレンズで、出来るだけF値を小さくして花の前後をぼかしたい
                             花は一般的に言って、明るい方が綺麗なので+1EVにしてみた

  いままで何回かお話してきましたが、EVとかは覚える必要ありません。
  最初は適当にISO100,F8,T1/500とか設定して、ファインダーなりモニターを見て
  自分の好きな明るさに修正してください。

  その時に、ボケが必要なら絞りを調整、手振れが嫌なら早いT速度などで、調整
  して下さい。 絞りとT速度は設定した数値のままにして、明るさを調整したいなら、
  ISO値での調整となります。

  ISO=明るさコントローラー
  絞り=ぼけコントローラー
  シャッター速度=ブレコントローラー 

  自分の絵作りには、これらを素早くやれるようになる必要が有ります。
  その為には、マニュアル設定が一番いいのです。 

 

② 明るさの是非は作者が決める

 カメラはオートなら設定された撮影モード/測光モードに従い+/-0EVになるように設定しますが、
 画面全体の明るさに引きずられて、不適切な露出になる場合もあります。

 どんな明るさが良いかはカメラには分かりませんので、作者自身が決めて下さい、
 と言ってきたわけですが撮ってみないと判断できない場合もあります。 

 そういう時は、-1EV/0EV/+1EVなどの三枚を撮ってください。 あとでモニターを
 見て選べばよいのです。 +/-1としたのは、最初のうちは余りその差が分かりませんので
 1段違いの明るさとしたわけです。

 この+/-EVをどの設定を使って調整するかが、作者の腕の見せ所になります。
 ・ぼけ重視なら、絞り値を優先して最初に決めて下さい。
 ・ブレ重視なら、シャッター速度を最初に決めて下さい。
 ・自分の求めるF、T値を決めてから明るさが過度/不足ならISO値で露出補正をして下さい。

この辺は、感覚的なものもありますから、どんどん撮影しパソコンに取り込んでブラウザーで
しっかり見て下さい。

 

③ 絞り、シャッター速度、ISOの一段とは何ぞや?

皆さん、一段上げるとか下げるとか、聞いたことあると思います。 知らなくても写真を撮るのに
不自由しませんが、知っている方が自分の絵作りが出来ます。

*まず絞りの一段の説明
 ・1  1.4  2  2.8  4  5.6  8  11  16  22  32 これが絞りの標準設定値です。APS-Cレンズは大体絞りは22止りですね。
 ・この値は、すべて前の数字の1.4倍になっております。 これは絞り径が1.4倍になると、
   センサーに届く光の量が2倍になるからです。 正確には平方根2(√2=1.414・・・・)
  ですが1.4倍で表示されています。
 ・1.4=1 x 1.4 2=1.4 x 1.4 2.8=2 x 1.4 4=2.8 x 1.4 5.6=4 x 1.4 ・・・・・・
 ・この2から2.8へ絞りを変えることを「一段絞る」と言います。 だから今絞り値が5.6とした時、
  
明るすぎるから「二段絞ろう」というのなら、絞り値は5.6–>8–>11となります。
 
*実践では、一段ずつの変化では明るさが大きすぎる場合もあるので、絞り値は(シャッター時間も)
上記の数値の間にもう二つあります。カメラはどんな絞り値でも計算で設定できますが、
普通表示は一段よりも細かい 0.3 0.5 0.7 と 1段 刻みです。
 ・1  1.2  1.4  1.8  2  2.2  2.5  2.8  3.2  3.5  4 ・・・・・のようにね。 
        高価な単焦点レンズは開放絞り値が1.2とか1.4ですね。

*次にシャッター速度の一段の説明
 ・30秒 15 8 4 2 1 1/2 1/4 1/8 1/15 1/30 160 1/125 1/250 1/500 1/1000 1/2000 1/4000 1/8000  
  普通は設定範囲はここまでです(バルブと言って無制限時間というのもありますが、ここでは忘れる)。  
 ・30 25 20 15 13 10 8 ・・・と言う具合に、シャッター速度もこの数値の間に、更に二つの数値があります。
 ・絞り値もそうですがシャッター速度も、分かり易いように丸めて表示されます。
 ・電子シャッターと言うのも最近聞くようになりましたが、今は考えなくて結構です。
  設定さえすれば、カメラが勝手に切り替えて使ってくれますから大丈夫です。

*さて永らくISO君に沈黙を守ってもらってましたが、
 ・やはりISO値も、一段上げる毎に合計EV値が一つ増えます(一段明るくなると言う事です)。
 ・だから、ISO=100を200にするということは、単純にセンサー出力を一段上げる事です。
  これは、絞りを一段開くか又はシャッター時間を一段遅くすることとも同じなのです。 
  ここが一番混乱するところ! そのうち分かります。
 ・100 200 400 800 1600 3200 6400 12800 25600 普通はこここ止りです。 
 ・100 125 160 200 250 320 400 500 640 800・・・とこれもやはり0.3段ずつ増減できます。
 ・ISO値は、機械的に調整される絞りやシャッター時間と違って、センサーの出力(電圧V)を
  電気的に増幅するものなのです。 だから上げ過ぎると増幅器が、熱雑音を出しやすくなります。 
  という理由で、ISOは出来るだけ低い値で使いましょう。 でも最近のカメラは性能が良くなって、
  ISO値は6400位までが常用感度と言われるようになりました(この辺までなら、ノイズが気にならないレベルと言う事です)。
 ・ISO値の使い方は後述しますが、今はまだISOを固定して置いててください。

今までの話で、センサーに届く風景の明るさ(EV)なんて、大雑把なものだと思いませんか。 
そうですよ、自分の考え方ひとつで、絞りやシャッター速度なんて一段位簡単に変えたくなりますから。

ではまた。

 

④ 露出補正で明るく・暗く

今回は、露出補正についてです。

これから撮る写真は、自分の感じに応じて露出補正を使い明暗を決めましょう。 

何回か言いましたが、絞りもシャッター速度もISOもそれぞれ独立で設定できるのです。 

まずは、絞り・シャッター速度・ISOのそれぞれの働き方を説明した方が分かり易いのではないかと思って今
までお話ししてきました。

ご存知と思いますが、撮影モードには次の五通りがあります。

1.全オート撮影モード(A):全部カメラが決めて呉れます。 あなたが決めるものは有りません。
  コノモードは露出補正が出来ません。

2.プログラム撮影モード(P):カメラが明るさに応じて、FとTの組み合わせを教えてくれます。 
  露出補正が必要なら、あなたがここまで述べてきたF、T、ISOを修正して補正します。

3.絞り優先撮影モード(Av):カメラが明るさに応じて、T値を教えてくれます。
  絞り値とISOを変えて露出補正をあなたが決めます。

4.シャッター速度優先撮影モード(Tv):カメラが明るさに応じて、F値を教えてくれます。
  必要ならTとISOを変えて露出補正します。

5.マニアル撮影モード(M):カメラは何もしません。ご主人であるあなたが、F/T/ISOを決めれば
  その値がもう適正な明るさになっていますので、露出補は不要です。 
  最初は面倒ですが、慣れてくると天候と被写体を見ただけで、カメラの電源を入れなくても大体の設定値は想像できます。


露出補正とは、カメラが決めた設定での明るさでは満足できないときに、露出補正ボタンを回して好きな明るさに設定することですが、絞り優先モードならシャッター速度で、或いはシャッター速度優先なら絞りで露出補正をしているようです。 マニアルモードで最適に設定すれば露出補正は不要です。


ポートレート、子供、花などは可愛く綺麗に撮るために、普通露出補正をプラスにします。 また、勇猛果敢な男性や金属の鈍い光とか、モノクロは多少マイナス目の露出補正が似合います。 

また周知のことですが、極端に明るい所や暗い処が被写体の一部にあるときは、それに引きずられて暗く設定されたり、明るく設定されたりもします。 例えば空があると、カメラは明るすぎと解釈し全体を暗いくします。 反対に暗い日陰などは明るすぎるように設定されますが、測光モードによっても違います。

写真で大事なことは、ピント・構図・明るさだそうです。 それから見ても、露出補正って大事なことだと分かりますよね。

いろいろ書きましたが、言いたかったことは、絞り値もシャッター速度もISO値もそして明るさも、撮る人が決めるのが大事なことなんだと言う事です。 

その為に練習ででもマニアルモードで撮ってみませんか? 最初は苦労しますが、それに慣れるとF・T・ISOの働きが良く分かるようになります。

それから絞り優先モードやシャッター優先モードに戻ると、各設定の意味合いがよく分かるようになると思います。 

これで、あなたはもう写真道”中級”です。

原理的なことが分かれば詳細はどうでもいいので、今までお話しした明るさのEVとか絞りのEv値だとかは、もう忘れて貰って結構です。 絞り値とシャッター速度を決めれば、明るさ・ボケ・ブレは解決です。 それでも足りないときはISOの力を借りましょう。

この後は写真が印象的になるように、少し「構図」を覚えましょう。

 

別稿へ続く。

 

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